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1.はじめに
職場で不当な扱いを受けていると感じたとき、
すぐに何をすればよいのか分からず、
不安になる方は少なくありません。
たとえば、
「突然、退職を求められた」
「配置転換や休職命令に納得できない」
「残業代が支払われていない気がする」
「上司からハラスメントを受けている」
「会社とのやり取りがつらく、どう対応すればよいか分からない」
というような場面です。
労働問題では、感情的に会社と対立する前に、
まず現在の状況を整理し、証拠や資料を確保しておくことが重要です。
このコラムでは、
労働問題で困ったときに最初に準備しておくとよいことを、
分かりやすく説明します。
2.まず、何に困っているのかを整理する
労働問題といっても、内容はさまざまです。
まずは、自分が何に困っているのかを、
できるだけ具体的に整理してみましょう。
たとえば、次のような問題があります。
・解雇された
・退職を強く迫られている
・雇止めをされた
・配置転換や異動に納得できない
・休職命令を受けた
・復職を拒否されている
・残業代が支払われていない
・給与が減額された
・ハラスメントを受けている
・有給休暇を取得できない
・雇用契約の内容と実際の労働条件が違う
・会社から書面や合意書への署名を求められている
最初から法律的に正確に分類する必要はありません。
「何が起きているのか」
「いつから問題になっているのか」
「会社から何を言われているのか」
「自分としては何に納得できないのか」
を整理することが第一歩です。
3.時系列のメモを作る
労働問題では、いつ、誰が、何を言ったのか、
どのような経緯で現在の状況に至ったのか
などが重要になります。
そのため、できれば、
時系列のメモを作っておくとよいです。
たとえば、次のように簡単な形でも大丈夫です。
・〇月〇日 上司から退職を考えるよう言われた
・〇月〇日 人事との面談で退職届の提出を求められた
〇月〇日 配置転換の内示を受けた
〇月〇日 体調不良で病院を受診した
〇月〇日 会社から休職命令を受けた
〇月〇日 未払残業代について会社に質問した
〇月〇日 会社から回答があった
文章としてきれいにまとめる必要はありません。
箇条書きで十分です。
後から記憶だけで説明しようとすると、
日付や発言内容が曖昧になることがあります。
できるだけ早い段階でメモを残しておくことが大切です。
4.会社から受け取った書類を保管する
会社から受け取った書類は、
捨てずに保管しておきましょう。
特に、次のような書類は重要です。
・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・給与明細
・源泉徴収票
・退職届の用紙
・退職合意書案
・解雇通知書
・休職命令書
・配置転換命令書
・離職票
・会社からの通知書
・人事評価に関する資料
・懲戒処分に関する書類
書面が紙で交付されている場合は、
原本を保管してください。
メールやPDFで届いている場合は、
削除せず保存しておきましょう。
スマートフォンで撮影しておくことも有用ですが、
できれば原本やデータ自体も残しておく方がよいです。
5.会社とのメール・LINE・チャットを保存する
労働問題では、会社や上司とのやり取りが
重要な資料になることがあります。
たとえば、
・退職を求めるメッセージ
・業務指示
・残業の指示
・配置転換や休職に関する連絡
・ハラスメントに関する発言
・体調不良を報告したやり取り
・有給休暇を申請したやり取り
・会社からの注意・指導
・給与や労働時間に関する説明
などです。
メール、LINE、社内チャット、SMSなどは、
削除せず保存しておきましょう。
スクリーンショットを撮る場合には、発言内容だけでなく、
日時、相手の名前、前後の文脈が分かるように保存しておくとよいです。
6.労働時間に関する資料を集める
残業代、長時間労働、休職、体調不良などが問題になる場合には、
労働時間に関する資料が重要です。
たとえば、次のような資料があります。
・タイムカード
・勤怠システムの記録
・出勤簿
・シフト表
・業務日報
・パソコンのログイン・ログアウト記録
・入退館記録
・メール送信履歴
・業務チャットの送信時刻
・交通系ICカードの利用履歴
・手帳やカレンダーの記録
・自分でつけていた勤務時間メモ
会社が管理している正式な勤怠資料があれば、
それが重要です。
ただし、会社から資料をもらえない場合でも、
手元にある資料や自分で記録したメモが役立つことがあります。
「何時から何時まで働いたのか」
「休憩は取れていたのか」
「休日に働いたことがあるのか」
「残業を誰から指示されたのか」
を整理しておくと、相談が進めやすくなります。
7.録音・メモを残す場合の注意点
会社との面談や上司との会話が問題になる場合、
発言内容の記録が重要になることがあります。
特に、
・退職を迫られた
・ハラスメント発言を受けた
・解雇や処分を示唆された
・不利な条件で合意を迫られた
・長時間の面談を受けた
というような場合には、
会話内容が後で問題になることがあります。
録音やメモを残す場合には、
次の点を意識するとよいです。
・日時を記録する
・誰との会話か分かるようにする
・どのような場所での会話か記録する
・発言内容をできるだけ正確に残す
・録音データを削除しない
・録音データの編集や加工はしない
録音の可否や使い方については、事案によって注意が必要です。
不安がある場合には、弁護士に相談してください。
8.署名・押印を求められたら、その場で判断しない
労働問題で特に注意したいのが、
会社から書面への署名・押印を求められる場面です。
たとえば、
・退職届
・退職合意書
・誓約書
・始末書
・確認書
・合意書
・示談書
・清算条項のある書面
などです。
これらの書面に署名すると、
後から争うことが難しくなる場合があります。
特に、
「今後、会社に対して一切請求しない」
「本件について何ら異議を述べない」
「退職は自己都合である」
「未払賃金は存在しない」
「すべて解決済みである」
というような文言が入っている場合には注意が必要です。
その場で署名せず、
「一度持ち帰って確認します」
「家族や専門家に相談してから回答します」
と伝えることが大切です。
9.会社に何を求めたいのかを整理する
労働問題では、法的な見通しだけでなく、
自分が何を希望しているのかも重要です。
たとえば、
・退職したくない
・職場に戻りたい
・配置転換を撤回してほしい
・休職命令を撤回してほしい
・未払残業代を請求したい
・退職条件を交渉したい
・ハラスメントを止めてほしい
・会社と直接やり取りしたくない
・早く解決して次に進みたい
・金銭的な解決を希望したい
などです。
もちろん、最初から希望がはっきりしていなくても大丈夫です。
相談の中で、法的な選択肢を整理しながら、
何を目指すのが現実的かを考えていくことができます。
10.体調に影響が出ている場合は、医療機関の受診も検討する
労働問題では、強いストレスやハラスメント、
長時間労働などにより、心身の不調が生じることがあります。
たとえば、
・眠れない
・食欲がない
・出勤前に強い不安がある
・涙が出る
・動悸がする
・体調不良が続いている
・医師から休養を勧められている
というような場合です。
体調に影響が出ている場合には、無理をせず、
医療機関を受診することも検討してください。
診断書、通院記録、薬の処方内容などは、
後に休職、復職、労災、損害賠償などが問題になる場合に、
重要な資料となることがあります。
11.相談するタイミングを遅らせすぎない
「まだ弁護士に相談するほどではない」
「会社と揉めたくない」
「もう少し様子を見よう」
と思っているうちに、状況が悪化することがあります。
特に、次のような場合には、早めの相談をおすすめします。
・退職届や合意書への署名を求められている
・解雇を言い渡された
・退職を強く迫られている
・休職命令を受けた
・復職を拒否されている
・会社から期限付きで回答を求められている
・未払賃金や残業代がある
・ハラスメントにより体調を崩している
・裁判所や労働局などから書類が届いた
・会社とのやり取りが精神的に大きな負担になっている
早い段階で相談すれば、証拠の残し方、
会社への返答方法、今後の選択肢を整理しやすくなります。
12.労働問題で相談時にあるとよい資料
労働問題について相談する際には、
次のような資料があると、状況を整理しやすくなります。
・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・給与明細
・源泉徴収票
・タイムカード、勤怠記録
・シフト表、勤務表
・会社からの通知書
・退職届、退職合意書案
・解雇通知書、休職命令書
・メール、LINE、チャット
・録音、メモ
・診断書
・離職票
・これまでの経緯をまとめたメモ
すべての資料がそろっていなくても、ご相談は可能です。
まずは現在お持ちの資料をもとにご相談ください。
13.まとめ
労働問題で困ったときには、
まず次の点を意識することが大切です。
・何に困っているのかを整理する
・時系列のメモを作る
・会社から受け取った書類を保管する
・メール、LINE、チャットを保存する
・労働時間に関する資料を集める
・書面への署名・押印はその場で判断しない
・会社に何を求めたいのかを考える
・体調に影響がある場合は医療機関の受診も検討する
・早めに相談する
労働問題では、初期対応が重要です。
会社との関係が続いている場合や、
退職・解雇・休職など、
生活に直結する問題がある場合には、
一人で抱え込まず、早めに状況を整理することをおすすめします。
14.お問い合わせ
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