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1.離婚調停を申し立てられた方へ
家庭裁判所から突然、離婚調停の書類が届くと、多くの方は驚かれると思います。
「本当に離婚しなければならないのか」
「調停では何を聞かれるのか」
「相手の言い分にどう反論すればよいのか」
「子どもの親権や養育費はどうなるのか」
「財産分与や慰謝料を請求されたらどうすればよいのか」
このような不安を感じるのは自然なことです。
もっとも、離婚調停を申し立てられたからといって、
すぐに離婚が決まるわけではありません。
離婚調停は、家庭裁判所で、夫婦双方の言い分を聞きながら、
離婚するかどうか、離婚条件をどうするかを話し合う手続きです。
大切なのは、感情的に反応するのではなく、
最初の段階で確認すべきことを整理し、今後の方針を決めることです。
このコラムでは、
離婚調停を申し立てられたら最初に確認すべきことについて、
分かりやすく説明します。
2.まず、家庭裁判所から届いた書類を確認する
離婚調停を申し立てられると、家庭裁判所から書類が届きます。
まず確認すべきなのは、次の点です。
・申立書の内容が何か
・添付されている書面や証拠の内容が何か
・第1回の調停期日がいつか
・どこの家庭裁判所で行われるのか
・同封されている回答書や事情説明書の提出期限
特に重要なのは、調停期日と提出期限です。
仕事や育児などの都合で指定された期日に出席できない場合でも、
そのまま放置するのではなく、早めに家庭裁判所へ連絡する必要があります。
また、回答書や事情説明書は、今後の調停の進め方に影響することがあります。
勢いや感情で記入して提出するのではなく、
何を書くべきか、どこまで詳しく書くべきかを、慎重に検討することが大切です。
3.相手方が何を求めているのかを確認する
次に、相手方が調停で何を求めているのかを確認します。
離婚調停では、単に「離婚したい」という話だけでなく、
通常、次のような事項が問題になります。
・離婚するかどうか
・親権
・養育費
・面会交流
・財産分与
・年金分割
・慰謝料
・婚姻費用
相手方の申立書や事情説明書を見ると、
相手方が何を重視しているのか、どのような条件を求めているのか
が分かることがあります。
たとえば、相手方が「親権」を強く求めているのか、
「財産分与」や「慰謝料」を重視しているのか、
「早期離婚」を希望しているのかによって、
こちらの準備の仕方も変わってきます。
まずは、相手方の請求内容を冷静に読み、
争点になりそうな項目を整理しておくことが重要です。
4.自分は離婚に応じるのか、応じないのかを考える
離婚調停を申し立てられた場合、最初に考えるべき大きな方針は、
当然のことながら、離婚に応じるのか、応じないのかという点です。
離婚に応じる場合でも、
親権、養育費、財産分与、慰謝料などの条件について
納得できる内容で合意する必要があります。
他方、離婚に応じたくない場合には、
なぜ離婚に応じられないのか、
夫婦関係が修復できる可能性があるのか、
別居期間やこれまでの経緯はどうか、
などの事情を整理しておく必要があります。
ただし、「離婚したくない」と考えている場合でも、
調停の場でどのように説明するかは慎重に考える必要があります。
感情的に「絶対に離婚しない」と述べるだけでは、
調停委員にこちらの事情が十分に伝わらないことがあります。
離婚に応じるかどうかについて迷っている場合には、
離婚した場合の生活、子どもへの影響、住居、
収入、財産関係などを含めて、現実的に検討することが大切です。
5.子どもに関する事項を整理する
未成年の子どもがいる場合、離婚調停では、子どもに関する事項が非常に重要になります。
特に問題になりやすいのは、次の点です。
・親権者をどちらにするのか、共同親権にするのか
・子どもが現在どちらと生活しているか
・これまで主に誰が監護してきたか
・子どもの生活環境、学校、保育園、習い事
・面会交流をどのように行うか
・養育費をいくらにするか
・進学費用、医療費、習い事費用をどう負担するか
親権や監護権に関する問題では、
これまでの育児状況や現在の生活状況が重要になります。
そのため、子どもの生活状況、通学・通園状況、
病院、習い事、日々の世話の分担、相手との関わり方
などを整理しておくとよいでしょう。
また、養育費については、父母双方の収入資料が重要になります。
源泉徴収票、給与明細、確定申告書などを準備しておくことをおすすめします。
6.お金に関する資料を確認する
離婚調停では、お金に関する問題も多く扱われます。
主なものは、次のとおりです。
・婚姻費用
・養育費
・財産分与
・慰謝料
・年金分割
特に、財産分与では、夫婦が婚姻中に築いた財産が問題になります。
名義がどちらであるかにかかわらず、夫婦共有財産として分ける対象になることがあります。
そのため、次のような資料を確認しておくとよいでしょう。
・預貯金通帳、取引履歴
・生命保険、学資保険などの保険資料
・証券口座、株式、投資信託の資料
・不動産の登記事項証明書、固定資産税納税通知書
・住宅ローンの残高証明書
・自動車の車検証、カーローンの資料
・退職金に関する資料
・年金分割のための情報通知書
・源泉徴収票、給与明細、確定申告書
相手方名義の財産について、すべての資料を持っていないこともあるでしょう。
その場合でも、分かる範囲で財産の種類や所在を整理しておくことが大切です。
7.慰謝料を請求されている場合の確認事項
相手から慰謝料を請求されている場合には、その理由を確認する必要があります。
慰謝料の理由として主張されやすいものには、次のようなものがあります。
・不貞行為
・DV
・モラハラ
・婚姻関係を破綻させた行為
慰謝料を請求されている場合、相手の主張が事実なのか、
証拠があるのか、金額が相当なのかを検討する必要があります。
また、こちらにも反論すべき事情がある場合には、時系列で整理しておくことが重要です。
たとえば、夫婦関係がいつから悪化したのか、
別居の経緯、話し合いの内容、相手の言動、メールやLINEのやり取り
などが問題になることがあります。
相手方の主張に対して感情的に反論するのではなく、
事実関係と証拠を整理して対応することが大切です。
8.調停で話す内容を事前に整理する
離婚調停では、調停委員に対して、自分の考えや事情を説明することになります。
ただし、調停の場で突然すべてを整理して話そうとしても、うまく伝えられないことがあります。
そのため、事前に次のような点を整理しておくとよいでしょう。
・離婚に応じるのか、応じないのか
・離婚に応じる場合、どの条件なら応じられるのか
・親権についての希望
・養育費についての希望
・面会交流についての希望
・財産分与についての考え
・慰謝料請求への対応
・婚姻費用についての対応
・相手の主張に対する反論
・絶対に譲れない点
・話し合いで調整可能な点
調停は、相手方と直接話し合う場ではなく、
調停委員を介して双方の話を聞く形で進められます。
そのため、調停委員に分かりやすく伝えるためには、
結論、理由、具体的な事情を整理しておくことが大切です。
9.調停期日に欠席してよいか
指定された調停期日に出席できない場合もあると思います。
しかし、何も連絡せずに欠席することは避けるべきです。
調停を欠席すると、裁判所や調停委員に、
話し合う意思がないと受け取られるおそれがあります。
やむを得ず出席できない場合には、
できるだけ早く家庭裁判所に連絡し、期日変更が可能か確認する必要があります。
また、弁護士に依頼した場合には、
弁護士が代理人として出席し、事情を説明することもできます。
「仕事があるから行けない」「怖いので行きたくない」といった場合でも、
放置するのではなく、早めに対応方針を決めることが大切です。
10.回答書や事情説明書を書く前に注意すべきこと
家庭裁判所から届く書類の中には、回答書や事情説明書が含まれていることがあります。
これらの書類は、調停委員が事案を把握するために使われます。
そのため、記載内容には注意が必要です。
もちろん、事実を正確に記載することが大切です。
しかし、感情的な表現や、相手を強く非難する表現ばかりになってしまうと、
こちらの主張の重要部分が伝わりにくくなってしまいます。
また、法的に不利な内容を書いてしまったり、
まだ整理できていない内容を断定的に書いてしまったりすることも避けたいところです。
回答書や事情説明書を提出する前に、不安がある場合には、
弁護士に相談して内容を確認することをおすすめします。
11.早い段階で弁護士に相談するメリット
離婚調停を申し立てられた場合、
できるだけ早い段階で弁護士に相談することには、次のようなメリットがあります。
・調停の流れを理解できる
・自分の立場で何を主張すべきか整理できる
・相手の請求が妥当か判断しやすくなる
・必要な資料を早めに準備できる
・回答書や事情説明書の書き方を確認できる
・親権、養育費、財産分与、慰謝料などの見通しを確認できる
・調停で話すべきこと、話さない方がよいことを整理できる
・不安を抱えたまま調停期日を迎えずに済む
離婚調停は、話し合いの場ではありますが、
そこでのやり取りが調停の解決条件それ自体に影響することはもちろん、
場合によっては、その後の離婚訴訟の内容にも影響することがあります。
そのため、「まだ第1回の期日前だから大丈夫」と考えるのではなく、
早めに状況を整理することが重要です。
12.まとめ
離婚調停を申し立てられた場合、まず確認すべきことは、次のとおりです。
・家庭裁判所から届いた書類の内容
・第1回調停期日と提出期限
・相手方が何を求めているのか
・自分は離婚に応じるのか、応じないのか
・子どもに関する希望と現状
・婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料などのお金の問題
・回答書や事情説明書の記載内容
・調停でどのように説明するか
離婚調停を申し立てられたからといって、すぐに結論を出す必要はありません。
大切なのは、焦って対応するのではなく、
相手の請求内容、こちらの希望、必要な資料、今後の見通しを整理することです。
北九州市で離婚調停を申し立てられ、
対応に迷われている方は、弁護士への相談をご検討ください。
早い段階で方針を整理しておくことで、調停期日で落ち着いて対応しやすくなります。
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